人物ファイル

大切な人への感謝を奏でるDIVA・AOIさん

かんてんぐらに響き渡る“ありがとう”

長野県茅野市宮川出身
1stリリース sweet sweet pain
2ndリリース Orange Moon/Dear my mama

リユースホール「かんてんぐら」、蔵の中でライブ???

茅野市宮川にある「かんてんぐら」(宮川寒天蔵)は、この地域が寒天業で栄えた昭和初期に、製糸業で栄えた岡谷の「繭倉」を移築したものだそうだ。そして、今はこの「かんてんぐら」でコンサート、落語会、講演会、トークショー、フリーマーケットなど様々なイベントが開催されている。
小誌のオブザーバーを務める伊藤氏は、宮川寒天蔵「くらの会」の会長である。ある日、伊藤氏からこんな提案があった。
「傷みが激しい寒天蔵の外観と蔵の中の熱いイベントのギャップがおもしろいっていうことで、あるテレビ番組が『かんてんぐら』を取材したいそうなんだよ。それで、その日にAOIちゃんにライブをやってもらおうと思ってるんだ。その様子を取材してみない?」

 

みんなの笑顔が私の喜び

AOIさんは茅野市宮川出身のアーティスト。
彼女のデビューのきっかけは東京で美容師をしている時、スカウトされたことから始まる。デビュー当時は東京での活動が中心であったが、東日本大震災を期に、まず自分の故郷を盛り上げようという意志のもとで長野県を中心に活動することに決めたと言う。
「美容師をやっている頃から変わらずにあるのが、『人を喜ばせたい』という心なんです。今はそれが歌に変わりました。自分の声を気に入ってくれる人、歌がすごくいいと言ってくれる人、みんなに喜んでもらいたい、笑顔になってもらいたい一心で歌っています。」

がんばれ、“SWCN”!!

ライブ前、ホールの片隅にテレビ番組の取材を受ける30代〜50代の男性陣を発見。この方々はSWCN(信州コマ倶楽部)の会員であり、AOIさんのファンクラブメンバーでもある。昨年の全日本製造業コマ大戦のイベントで彼女に魅了されたと言う。
「長野県だけではなく、全国の人にも私の歌を聴いてもらいたいと思っていたら、SWCNの方々が私のファーストシングル“sweet sweet pain”を全日本製造業コマ大戦のテーマソングにと推薦してくださったんです。おかげでそれ以来、全国各地で歌わせて頂ける機会が増えました。」

全日本製造業コマ大戦とは?

全国の中小製造業者たちが直径20㍉以下、素材は 自由という条件の下、直径25㌢の土俵の上で熱き戦い を繰り広げる。SWCNは前回大会準優勝の強豪チーム。

全日本製造業コマ大戦県別対抗団体戦開催のお知らせ

日時:平成25年7月6日(土) 10:00会場/15:00県別対抗団体戦 ※見学無料!!)
・ 場所:信州大学繊維学部 (長野県上田市常田3-15-1)

 

世代超えて通じるもの

18:00 ライブ開始1時間前。外は雪も混じる冷たい雨。果たして、急に決まったライブにどれほどの人たちが集まるのだろう。テレビクルーも万全の準備をしている。ファンクラブだけでは席が全然埋まらない。しかし、何の心配もなかった。18:30を過ぎると続々とオーディエンスが集まり出す。見る見るうちに満席となり、結果、立ち見の人も。しかも、ファン層は幅広く、小さな子供連れのファミリーからご近所のおじいちゃん、おばあちゃんまで様々な人々がライブの始まりを待っている。
「いくつになっても人は人なんだから、通じるものはきっとあるはずなんです。私は年齢も気にせずに子供から年配の方まで幅広く、歌詞とかどうこうではなく、今のこのたのしい時間を共有する事が大事だと思っています。」

やさしさにつつまれて

19:00 ライブスタート。1曲目は1stリリースの“sweet sweet pain”。ファンクラブのメンバーを中心に会場内が一気に盛り上がる。AOIさんもオーディンスも、カメラクルーがいることを忘れているかのようにリラックスしながら楽しんでいる。
Dear my mama”を歌っている途中、色々なことを感じたのだろう、AOIさんが感極まってしまう。その時、だれかれとなく彼女を励ます手拍子が始まる。会場中がやさしさに包まれた瞬間だった。
「どこにいる時も、誰に歌っている時にも自分のことを応援してくれている長野のみんなへの感謝の気持ちを胸に、長野ってこんなに温かいところなんだよ、こんなにいいところなんだよ、そんな想いを歌声に乗せてみんなに伝えたい。そしてたくさんの人たちと長野との架け橋になっていきたいと思います。」

「みんな、ありがとう」

20:00 アンコールも含め、全12曲。AOIさんは最後の曲を歌う前、深くそして長くお辞儀をした。
大人になってはじめて気づく事がある。
近すぎて気づかなかったのかもしれない。
でも、身近な人だからこそ伝えなければならない想いがある。
AOIさんの姿を見て「感謝の気持ち」に気がついた自分が、そこにいた。

  • AOIさん

  • 素敵な弾き語り

  • ギタリスト大石さんと

  • 盛り上がるオーディエンス

  • テレビクルーの取材を受けるSWCNメンバー

  • 独楽と土俵

  • みんなで記念撮影

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